日本リュート協会では、会報NO.16号を発行いたしました。
〈今号の内容〉
【仏リュート協会会長パスカル・ボケ氏来日特集】
●パスカル・ボケ氏マスタークラス・レポート
〈西野潤一〉
●パスカル・ボケ氏レクチャーコンサート誌上再録
〈倉又義克+小川えみ〉
昨年11月に来日したパスカル・ボケ氏によるマスタークラス及びレクチャーコンサートの特集記事です。西野氏による詳細なレポートは、様式の捉え方、フレーズの歌わせ方の指針、通奏低音のリアリゼーションについての実用的アドバイスなどなど、お役立ち情報満載!
特集もうひとつの記事は「16世紀のリュート曲の異なるジャンルについて:ファンタジー、歌、ダンス」と題されたレクチャーの録音から起こしたもので、当時のさまざまなリュート曲のスタイルについて実演(記事中では譜例で表示)とともに平明に解説。ダ・ミラノのファンタジアのアナリーゼ、歌曲・舞曲とそのリュート&ギター版編曲の比較、など。
●WindowsおよびMac上で動作するタブラチュア作成ソフト 《後編》
〈米田考〉
前号に引き続き後編ではWin用定番ソフトFronimoについて紹介、前号で紹介したソフトとの比較検討も行っています。
●メイス勉強会報告 第6回
〈渡辺広孝+倉又義克+米田考〉
今回は弦に関する記述を読んでみました。弦の選び方。当時、評価の高かった弦の産地とは。弦の扱いの注意事項……etc. 関連して、ガット弦についての基本的知識・トリビアを、製作家の立場から渡辺理事長が解説。
●新刊・新譜CD紹介
〈米田 考〉
『バロックリュート教則本』
ミゲル・イスラエル(セルドーラ)著
『神秘の障壁 – シャコンヌ、パッサカリア、ロンド、フォリア』
演奏:ミゲル・イスラエル(セルドーラ)
『L’Infidele~異邦人 シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス リュート作品集』
演奏:エドゥアルド・エグエス
『ダウランド・リュート曲全集』第1~4集
演奏:ナイジェル・ノース
●研究ノート ビウエラ研究 最終回
〈小川伊作〉
前号記事を承けての最終回、拡大版の今回は、キリシタン時代の日本にビウエラが伝えられた可能性について、そして中南米の民族楽器に見られるビウエラの痕跡について考察しています。
●添付楽譜
『荒城の月』 〈小川伊作編曲〉
ちょっと変わった試みとして日本のうたをとりあげてみました。旋律楽器+リュート(ビウエラ)のデュオで弾けるように編曲されています。