野入志津子 氏による講習会

日本リュート協会では、野入志津子 氏による講習会を開催いたしました。

日時:2010年12月19日(日)10時~
会場:井草地域区民センター第二音楽室

野入さんは、アムステルダム在住で、ソリスト・通奏低音奏者として国際的に幅広くご活躍されておられます。演奏会のための一時帰国に合わせて、講習会を開催いたしました。

今回は通常のソロ、アンサンブルのレッスンの他に、初めての試みとして「通奏低音入門講座」を実施しました。
当日の受講者・プログラムは以下です。

■レッスン1
受講者:三瓶綾子(ソプラノ)
倉又義克(テオルボ)
曲 目:L’OrfeoよりLa Musica(Monteverdi)
■レッスン2
受講者:米田考(アーチリュート)
曲 目: Sonata 6(Zamboni)
■レッスン3
受講者:久野幹史(ルネサンス)
曲 目:Pouqouy allez vous sellette(Milano)
■レッスン4
受講者:嶋崎正樹(バロック)
曲 目:Passagalia(Reusner)
■レッスン5
受講者:阿矢谷充(ルネサンス)
曲 目:Fantasia quinta(Molinaro)
■通奏低音入門講座
実技教材:L’OrfeoよりLa Musica(Monteverdi)
歌唱協力:松田喜久子(ソプラノ)
三瓶綾子(ソプラノ)

各レッスンの様子

公開レッスンというと、独特の雰囲気があって受講者はかなりの緊張を強いられますが、野入さんは終止にこやかにリードし、それによってリラックスした奏者の音は明らかに響きが豊かになって行きました。
モンテベルディでは自ら流暢なイタリア語で歌詞を読み上げ、いかに細心の注意が払われて作曲されているかを解説していただきました。
指導はタッチ等のメカニックから、各楽曲の様式細部やそれに基づいた表現に至る幅広いもので、非常に充実していました。

通奏低音入門講座

「全くの未経験者でも通奏低音を体験できる」というコンセプトで、モンテベルディのL’OrfeoよりLa Musicaを用いて講義が行われました。
A=440Hzと415Hzの二つのグループに分かれ、それぞれに歌手が付いて演奏を行いました。楽器はルネッサンス、バロックにアーチリュートやテオルボが加わって、それら音域の異なる楽器の音が混ざり合うことによって生み出される豊かな響きは、非常に新鮮でした。

今回の企画は参加者から非常に好評で、ご指導いただいた野入さん自身もとても楽しんでおられ、「みなが最後には指揮者になりたがる気持ちがわかる」とおっしゃられていたのが印象的でした。

講習会の詳細なレポートは、日本リュート協会の会報に掲載される予定です。