ICF-9740

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ラジオには独特の音世界があると思います。決してHiFiな音では無いのですが、ラジオから流れる音楽や、特にアナウンサーやDjの人の声にはなんともいえない魅力があると感じます。以前、歌謡曲やポピュラー音楽のミックスダウンをする際、ラジオから流れてきたときの心地よさを考慮して、音決めを行っているという話を聞いたことがあります。今もそうなのかはわかりませんが、ヒット曲はラジオからという図式が以前は確かにあったのでしょう。

当方がラジオの音の心地よさを始めて実感したのが、ソニーのICF-5800、通称スカイセンサー5800という機種を入手した時で、当時たしか高校生でした。 この機種はいわゆるBCLラジオという短波放送を聞く点に特化したモデルです。ただ、BCLをするために買ったわけではなく、受験のラジオ講座を聞く目的だったと思います。その当時はこのモデルはもう旬を過ぎており、中古でかなり安く入手した記憶があります。SONYラジオの黄金時代に作られただけあって作りが非常に良く、受信性能もピカ一なのですが、非常に音が良くて、落ち着いた高音域にラジオにしては豊かな低音域を伴って、なんとも心地よいサウンドを奏でます。特にこれで聞くNHKのニュースのアナウンサーの声は絶品です。最近の新しいSONYのラジオも何台か購入しているのですが、いずれもこの機種を超えることはありませんでした。

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あと、もう製造中止になってしまったのですが、ICF-9740という所謂「ホームラジオ」といったカテゴリーの製品がありました。

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http://nice.kaze.com/icf-9740.html

丁寧に作られた木製キャビネットに、やや大きめのスピーカを入れており、これが心地よいサウンドを作り出していると思われます。

SONY以外で、非常に評価が高いのが、Tivoli audio Model oneです。

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http://www.assiston.co.jp/1126

上記リンクのページには、この機種の魅力が非常に良く書かれているのですが、特に『 この「 Model One」の15年の評価として、「FMやAM放送のアナウンサーの声が聴き取りやすい」「小さなスピーカーがひとつしかないのに、とても臨場感のある音がする」と世界中の人々から評価され~』 という部分は注目です。

Model oneは非常に作りの良い木製キャビネットに、7.6cm径のフルレンジスピーカーがマウントされています。内部は空間を設けたスピーカーBOX構造になっており、バスレフポートが下部に設けられています。これが豊かな低音を生み出す要因になっています。
非常に魅力的な機種なのですが、ちょっといい値段なので簡単には手が出せません。デモ機の置いてある店頭で聴いてみたのですが、まさしく理想的なホームラジオの音を奏でていました。

デザインの側面から、当方が最も魅力的と思うホームラジオは、BraunのSK2です。

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Braunはあのひげ剃りで有名なドイツの会社です。
このラジオをデザインしたディーター・ラムスは、インダストリアルデザイン界では伝説的な人物で、Braun社から数々の歴史に残る名作を生み出しています。アップルもラムスのデザインに大きく影響を受けていると言われています。
このSK2は、なんと1955年に発売されたのですが、今見ても全く古さを感じさせることなく非常に魅力的です。 中身は真空管のラジオなのですが、もしこのデザインで最新のデバイスを使ったラジオが実装されて、今発売されたならすぐに購入したい!と思うほど。
他にもラムスがデザインしたラジオやオーディオがありますが、どれも魅力的で、ちょっと高かったのですが、ラムスのデザインした製品の写真が網羅された書籍も購入してしまいました。

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Less and More: The Design Ethos of Dieter Rams


ブラウン社はオーディオ機器からは撤退しているのですが、時計は現役で多数発売されています。以前、最新の電波時計にラジオが付いた、BNC010というモデルが発売され、ついにブラウンデザインのラジオが復刻された!と興奮して購入しました。デザインはいかにもブラウンというもので、とても良いのですが、ラジオの音質が耐え難いほど悪く、本当に落胆しました。

ということで、現在市販されているホームラジオで、理想に近いのはTivoliのModel oneですが、いかんせん価格が高いため入手にはいたっておりません。
(続く。。。)

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