Lute

私は現在ルネッサンス・リュートのみ演奏しています。
(最近〜2012年夏より、バロックリュートも始めました)
リュートの世界はルネッサンスからバロック、コンティヌオときわめて多彩なのですが、特にルネッサンス・リュート音楽が好きなのと、あまりにも色々な物に手を出して発散してしまうのがいやなので、ルネッサンス・リュートのソロ曲に集中しています。 ところがルネッサンス・リュート音楽だけ取ってみても、そのバリエーションはとてつもなく広く、結局下記のようにさまざまなタイプの楽器を入手することになってしまいました。

  • 10コース・リュート
  • 6コース・リュート(G)
  • 6コース・リュート(A)
  • 9コース・リュート(G)
  • 13コース・バロックリュート(ジャーマン・テオルボ)

10コースリュート

Hirotaka Watanabe (渡辺広孝 氏作)
1998年
Tieffenbruckerモデル
弦長=640mm

現在メインで使用している楽器です。Tieffenbruckerモデルで、バックは非常に美しいイチイのマルチリブです。
完成してからもう10年以上経っていますが、最近ますます調子が良くなっています。
イチイは柔軟で弾力性に富むことから、弓の材料として古くから使用されており、リュートのリブに使用した場合、メープル系の明るさとローズウッドや黒檀の明瞭さを兼ね備えているとでも言うようなキャラクターを持ち、当方は一番好きな材質です。
さらにマルチリブ化することによって、複雑な反射が起こるためか、非常にリッチでカラフルなサウンドになる傾向があるようです。
あと、Tieffenbruckerは1コース・7フレットにスイートスポットとでも言うべきピーク(楽器が良く鳴るポイント)があり、ルネッサンスリュートのレパートリーでは7フレットが旋律の胆になる曲が多いので、非常に音楽が作りやすく、実に気持ちよく演奏できます。

 


6コースリュート

Hirotaka Watanabe (渡辺広孝 氏作)
1996年
Tieffenbruckerモデル
弦長=610mm

 6コースのTieffenbruckerのコピーで、Paul O’Detteがフランチェスコのレコーディングで使用しているものと同じモデルです。
フランチェスコ・ダ・ミラノやリッペ、スピナチーノ、カピローラ等の16世紀のレパートリーに本格的に取り組むために入手しました。
これらの作品は、4-6コースがオクターブで張られた6コースを前提としているので、この楽器を使用して初めてそれらの作品の素晴らしさがわかるようになったと思います。この楽器の16世紀的美的センスとも言うべき、シェイプやディテイルの全てが好きです。
Paul O’Detteにこれでフランチェスコやスピナチーノのレッスンを受けましたが、この楽器のサウンドはグレートだとコメントをもらいました。