レトロラジオを現代風にアレンジ! 縦型FMホームラジオの製作

三才ブックスより発売された「ラジオマニア2024」に、「レトロラジオを現代風にアレンジ! 縦型FMホームラジオの製作」という記事を書きました。下の写真が作製したラジオの外観です。

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 少し前になりますが、2021年にNHKで放映された「カムカムエヴリバディ」という朝ドラがありました。祖母、母、娘の3代のヒロイン全てがラジオで英語講座を聞いて英会話を学び、その時代にふさわしいラジオ受信機が小道具でフィーチャーされるという、ラジオ好きにはたまらないドラマでした。特に初代ヒロイン安子(上白石萌音)が使用したラジオが縦型の特徴的な外観をしており、俗称でビリケン型とかミゼット型と呼ばれているものです。

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 この縦型のラジオは海外でも多く作られ、例えばオランダのPhilips社のものがあります。

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 このような縦型のデザインは非常に魅力的ですが、それらを現代風にアレンジして、モダンな外観を持ったFMラジオを作製してみました。見た目は山型のお家のようなデザインで、カラーLCDと明るい色味の2つのツマミを前面に配置しています。スピーカーは上部に配置しており、10cm口径の大きめなプルレンジスピーカを使用し、豊かな聞きやすい再生音を目指しています。

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 実は今回使用したケースは、某インテリアショップの「あるもの」を利用しています。非常に質感の高いプラスチックが使われているので、外部にネジなどが露出しないよう各部の実装を工夫しています。
(ケースに何が使われたかはぜひ本誌記事でご確認ください)

 FMラジオ部には、過去に使用して実績のあるシリアル制御タイプのDSPモジュールを使用しています。従来コントローラーにはLCD一体型のM5Stackを利用してきましたが、半導体不足後に価格が大幅に上昇したため、今回は秋月電子のRP2040コントローラ、2.0インチカラーLCDなど個別部品で構成しています。これによりコストをM5Stackの1/3以下に抑えています。
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 記事ではハードウェアの回路構成とArduinoによるソフトウェアの作製・動作解説を行っています。
オールカラーでの掲載なので、特殊な実装方法なども確認が容易になっております。
 昨今、市販のラジオ、オーディオ機器は特徴的な変わったデザインの物は少なくなっており、寂しい限りです。DSPチップの出現によりラジオの自作は昔より遥かに容易になっています。またコントローラーも低価格かつ、開発ツールなどが全て無料で入手できます。自作でなら自分の好きなデザインで作製できます。本記事が皆様のラジオ・オーディオ機器自作の一助になれば幸いです。

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